騎士道の象徴、トリカブトの花言葉
トリカブト。その名を耳にすると、多くの方が、気品漂う紫の花と、それと相反するかの様な猛毒を思い浮かべるのではないでしょうか。鳥兜、あるいは兜菊、雅な呼び名を持つこの花は、その独特な姿形から、古来より人々の心を惹きつけてきました。その一方で、その美しさの影に潜む毒は、時に命を奪う程の強さを持つことから、「毒草」としての側面も持ち合わせています。秋の山野を彩るトリカブトは、青紫色の花を房状に咲かせます。その姿は、まるで鳥が羽を広げた様、あるいは武士が身につけた兜の様な、独特の美しさを持ちます。この美しい花の姿から、「騎士道」「栄光」「美しい輝き」といった花言葉が生まれました。しかしながら、トリカブトは根に猛毒を持つことでも知られています。古くから、その毒は矢毒として用いられてきました。トリカブトの毒は、神経系を麻痺させる作用があり、誤って口にすると、嘔吐、呼吸困難、心臓麻痺などを引き起こし、最悪の場合、死に至ることもあります。このことから、「復讐」「敵意」「あなたは私に死を与えてくれる」といった、恐ろしい花言葉も存在します。トリカブトは、その美しい花と恐ろしい毒という、相反する二つの側面を持つが故に、人々の心を惹きつけてやまない植物と言えるでしょう。